木造軸組工法ってどんな工法?
木造軸組工法と聞くと、すごく難しそうに感じますが
簡単に言うと、木の柱(垂直)と梁(横)で
家の骨格をつくっていく工法のことです。
柱は、地面と垂直になるように縦方向の軸にして、
梁は、地面と水平に置いて横方向の軸となります。
コンクリートでできた基礎の上に
これらの軸を組みあげて骨組みを作り
屋根や壁を取り付けて家を完成させていくのです。
木造軸組工法は、在来工法とも言われるくらい伝統的な工法で、
日本の風土に一番適しています。
だから、注文住宅では最も多く採用されている工法なんです。
ちなみに、立派な柱や梁がよく目立つ和風の家を
テレビで見たことはありませんか?
実は、このような家は木造軸組工法でなければ建てられないのです。
今はリビングなどで梁を見せることで
デザインの1つとしている方もいらっしゃいますね。
このようにデザイン性を高めたオシャレな注文住宅にしたい
ってときには木造軸組工法がピッタリなんです。
地震に弱いのでは?
木造軸組工法では木の柱と梁がメインになるので
耐震性は、鉄筋コンクリートなどに比べて低いのでは?
となんとなく感じてしまいますよね。
実際に阪神・淡路大震災のときにも、木造軸組工法で建てられた家が
他の工法で建てたられたものに比べて被害が多かったそうですし…。
これを聞くと、この工法で家を建てて大丈夫?と心配になりますよね。
でも、ご安心ください。
平成12年に建築基準法が改正されてからは
耐震性が高くなっているのです。
では、どうやって耐震性を高めたのでしょうか。
ここでは、その主なものを2つ紹介します。
筋交い
耐震性をアップさせたものの1つ目は筋交い。
これは柱と柱の間に斜めに入れる木材のことです。
図は梁と柱を単純に描いたものです。
梁と柱しかない上側の図を見ると、
なんとなく想像がつくと思うのですが
横からの力がかかってしまうと変形してしまいます。
強い地震や強風のときには、家はグラグラ揺れて
倒壊につながりそうなのがわかると思います。
地震や強風での揺れを防ぐために使われるのが
筋交いなのです。
筋交いを下側の図のようにつけることで、
横方向の力がかかっても揺れを防ぐことができ
変形が少なく、耐震性をアップさせてくれるです。
筋交いが入っている壁は耐力壁と言われているのですが
この数が少ないと耐震性は低くなります。
たとえ多く使っても、配置の仕方が良くない場合には
地震に対して弱くなってしまうのです。
このように耐力壁はかなり重要ですので、
ハウスメーカーや工務店から間取りをもらうときには
耐力壁の位置、どうやって耐震性を高めているか
などを聞いておくことをオススメします。
補強金物
耐震性をアップさせる2つ目のものは、補強金物。
柱や梁をつなぐ金属でできたものです。
木造軸組工法の弱点と言えるのが
柱や梁を接合している部分。
筋交いをたくさん取り付けたとしても、
この部分の接合をいい加減にしていると、
家が簡単に壊れるのは想像つきますよね。
地震が発生したとき、柱同士には
お互いから離れようとする力がかかるので、
柱、梁、筋交いに補強金物を取り付けておけば、
これらは外れることなく、頑丈な注文住宅となるのです。
このように筋交いと補強金物のおかげで
木造軸組工法による注文住宅の信頼性が高まっています。
筋交いや補強金物は見えない部分ですので
欠陥住宅についての心配はあるかもしれません。
でも、建築基準法が改正されてからは
筋交い、補強金物についてもしっかりと規定されていますので、
しっかりとしたハウスメーカーや工務店を選んでおけば、
耐震性について心配することはありません。
木造軸組工法のメリット・デメリットも知っておくと、
他の工法と比較しやすくなりますので、ぜひご覧ください。