ハウスメーカーの価格相場にはなぜ差があるのか?
注文住宅の相場は、依頼するハウスメーカーでかなり違ってきます。
木造注文住宅を得意とする2つのハウスメーカーに営業マンに
「35坪、4LDKの注文住宅の平均的な価格相場はおよそいくら?」
と実際に聞いてみたところ
A社 : 2,500〜3,000万円
B社 : 1,700〜2,000万円
なんと!1,000万円もの差が出たのです。
A社は注文住宅の価格が高いとされている大手ハウスメーカー
B社は手頃な価格で提供している有名ハウスメーカー。
両社ともCMで流れているので知名度も高く
住宅ランキングでも上位にくるハウスメーカーだけに
これほどまでに価格に差があるとは思いませんでした。
では、なぜ同じ坪数の注文住宅で価格差ができるのでしょうか。
その原因については次のとおりです。
材料費
同じ注文住宅を建てるのにも使用する木材等が違えば
その価格も変わってきます。
注文住宅に使用される木材はピンキリなので
安い材料を使えば、いくらでも安くできるとのこと。
A社のような大手ハウスメーカーでは
性能を高めて長期間住めるように作るために
柱や断熱材などに高い品質のものを使用しています。
だから、金額がアップするのです。
では、B社が品質の悪い材料を使っているかというとそうでもなく
仕入れなどで企業努力をしているために
安く作ることができるとのこと。
ただ、なかには品質の悪い材料を使用しているところもあるので
あまりにも安すぎるときにはご注意くださいね。
アフターサービスなどの保証
注文住宅は何十年も住み続けるので
大手ハウスメーカーは独自の長期間保証をつけて
充実した内容のアフターサービスをしています。
これは小さい規模の工務店では難しいのです。
数年〜数十年先のことなので
保証と聞いても建てるときにはわかりづらいのですが
将来のことを考えると、仕方ない費用かなとも感じますね。
ちなみに、A社では長期保証を実現させるために
高い品質の材料を使用しなければいけないそうです。
保証のためにコストがかかってしまうのは当然なのでしょうね。
中間マージン
ハウスメーカーは下請け業者に工事を依頼するため、
中間マージンが発生してしまいます。
家を建てる側からすると
できるだけ中間マージンはとってほしくないな〜
という気持ちになります。
A社のような大手ハウスメーカーの場合には
この費用が大きくかさみます。
反対に、B社のようなハウスメーカーは
このマージンを抑えることに努力しているのです。
モデルハウス
住宅展示場にドーンと構えるモデルハウス。
外観、内装ともに豪華で、こんな家に住みたいな〜と
イメージできるように作られています。
入ってみるとわかりますが、かなりオシャレで豪華なので
同じような家を建てたい!と考えてしまいますが
「モデルハウスと同じ家を建てるにはいくらかかりますか?」
と聞いてみると、1億円以上かかるという回答が…。
ハウスメーカーが建てているので、ここまでの費用にはならないでしょうが
モデルハウスは住宅展示場ごとにありますので
それに見合った建築費、維持費がかかっています。
何年か経つと、新しいモデルハウスに建て替えるので
そのつど費用が発生しているのです。
夢を与えてくれるモデルハウスですが
これらの費用も注文住宅の価格の差となってあらわれます。
人件費
A社のような大手ハウスメーカーでは
打ち合わせに参加するのは営業マンだけではありません。
設計士、インテリアコーディネーターも登場します。
私もA社で間取りを作成してもらったときには
設計士の方が毎回こられていました。
これだけでもかなりの時間を拘束されますので
人件費に大きな違いが出てきます。
でも、価格を抑えているハウスメーカーでは
設計士の資格を持つ営業マンが間取りを提案したり
インテリアコーディネーターの役割もしたりと、何役もこなしているのです。
このほかにも、研究開発費、広告費などによっても
トータルの価格に上積みされていきます。
大手ハウスメーカーのなかには、間取りを一部固定化して、
自由度を低くしたプランを提案しているところがあります。
このプランだと、坪単価は大幅に安くなり、
低価格で建てられるようになります。
このように、いろんな費用が積み重なって、
注文住宅の金額には違いがでてきます。
なので、坪単価や価格相場だけで
ハウスメーカーや工務店を比較すると失敗してしまいます。
複数の施工業者から見積もりをもらって
総費用でしっかりと比較しましょうね。